確定申告の時期になりましたが、毎年ほぼ2,000万人ぐらいが確定申告しているようです。このうち何等かの形で税務調査が入るのが60万人ぐらいですので、全体の約3%の人が税務署からのお尋ねを受けているもようです。
ただ、60万人とっても、その大部分は文書や電話での簡単な調査で、実際に税務署の人がやってくるというわけではありません。実際に実地調査の対象になるのが5万7千件程度ですので、税務署員がやってくるのは確定申告する人の約1,000人に3人ぐらいの割合となっています。
参考資料:平成22年度の調査状況
この実地調査の5万7千件のうち、約5万件程度で申告漏れ等を指摘されているので、調査がやってきた段階で、ほぼ追徴課税などを支払うことになると考えておいた方がよいかもしれません。
【例:平成22年度分】
確定申告者数(2,185万件)→ 総調査数(69万件)→ 実地調査(5万7千件)→ 申告漏れ、追徴課税(5万件)
業種でいいますと、この実施調査の対象となる5万7千件のうち、水商売系の人が上位を占めており、インターネット関連での調査は約2,500件程度にとどまっています。さらに、このネット関連のうちでも通販やオークション関連の占める割合が多く、アフィリエイト収入に該当する「ネット広告」関連については約400件程度です。
実地調査(5万7千件)→ ネット取引全体(2,465件)→ ネット広告(409件)
割合的に考えると、アフィリエイトでは、簡易調査など何らかのお尋ねがある全ての件数で4,000件程度、そのうち実際に調査にやってくるのが400件程度、そしてこの400件のほとんどが申告漏れで追徴課税され、平均して162万円の税金を追加で払っているということになるようです。
件数が意外に少ないような気もしますが、国税庁職員は5万人ぐらいのようですし、所得税2,000万件のほか、法人税などの調査もやるとなると、そのあたりが限界なのだろうなと思います。
また、金額的にいいますと、ネット広告関連では1件当たりの申告漏れは1千万円程度となっているようです。たぶん、月数十万円以上稼いでいるアフィリエイターの人が申告額を少なくしていると、そのうちお尋ねがやってくるといった感じかと思います。
もちろん、数万円程度の少額の申告漏れの場合でも、税務署員の件数的なノルマの穴埋めでやってくるかもしれませんし、納税は国民の義務ですので、金額の大小に関わらず、適正な確定申告をする必要があります。
400件といいますと、毎日、日本のどこかで1人~2人のアフィリエイターが申告漏れを指摘され、平均して162万円を支払っていることになりますので、そのことを念頭においてきちんと確定申告するのがよいでしょう。